「9月入学」について

「9月入学」について,関係各省の事務次官が集まる会議で,文部科学省が以下の「2つの案」を提示した。
 1. 「一斉実施」案
  来年9月時点で満6歳に達する児童全員が小学校1年生となる。つまり,現制度で来年小学校1年生となる児童に加えて,現制度では再来年に小学校1年生になる予定の児童のうち,4月から9月生まれの児童を新たに加えた児童が同じ学年になるという案。
 2.「段階的実施」案
  入学する児童を1カ月ずつずらして5年間かけて移行する案。


 1.はシンプルであるが,同級生の数が(単純に考えると)1.5倍の代ができてしまい,受験や就職等において競争が激しくなり配慮が必要となる。また,学校の受け入れ体制(その年だけ教員を増やしたり,教室を確保したりといった)を変える学年が1学年だけできる。
 一方,2.は,1.のような,競争の激しい学年を作ることはない。また,学校の受け入れ体制も緩やかに変えればよいと想像する。ただし,移行期の5年間,毎年学年の線引きが変わり,学校や行政等における事務的な作業が繁雑になるかもしれない。

 子どもにとっては,「9月入学」をやるとして,どちらかと言われれば2.が良いと思われる。ただ,今問題となっているのは,今就学している児童生徒,とりわけ受験を控えている高校3年生と中学3年生への手当を如何に行うかであり,その解決のために上記の議論が付加的に必要になっていることを忘れてはいけない。受験生に対しては,1日でも早く「どうするか決める」ことを期待する。未だに受験スケジュールが未定で,推薦入試等時期の早い選抜方法等がどうなるのかも白紙で戦略を立てられない。高校3年生については,英語の民間試験の利用廃止や,大学入学共通テストにおける国語,数学の記述式廃止など既に混乱を受けた学年であり不憫でならない。本当に国の議論におけるプライオリティを高くして結論を「早く」出してほしい。政府や官僚の皆様も本当に大変な時期で頭が下がりますが,大切な子ども達のためにどうぞよろしくお願い致します。

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